「差別のない国を探すんじゃない、君はここで生きていくんだ…」
原作者の東野圭吾は、罪を犯すのはどういうことか、刑罰とは何なのか、真の更正とは、そんなことを考えながら書き上げたそうです。
〈ストーリー〉
川崎のリサイクル工場への送迎バスで、最後部座席に、野球帽を目深に被った武島直貴、20歳が乗っていた。
誰とも打ち解けない、暗い目をしたこの青年には、人目を避ける理由があった。兄・剛志が、直貴を大学に行かせるための学費欲しさに盗みに入り、邸宅で誤って人を殺してしまったのだ。
幾度に渡る引越しと転職。将来、お笑い芸人になる夢は遠のき、はじめて愛した女性とも別れることになる。兄がいる限り、自分の人生はだめになるばかりだった。
耐えきれずに自暴自棄になる直貴を、絶望の底から救ってくれ、常に現実から目をそらさず、直貴を引っ張ってくれたのが白石由美子の存在だった。しかし、そのささやかな幸せが再び脅かされるようになった時、直貴は決意するのだ。塀の中から届き続ける、兄からの手紙に
「兄貴、元気ですか? これが最後の手紙です…」
『手紙』
監督/生野慈朗
原作/東野圭吾『手紙』
脚本/安倍照雄、清水友佳子
公開日/2006年11月6日
武島直貴/山田孝之
武島剛志/玉山鉄二
白石由美子/沢尻エリカ
中条朝美/吹石一恵